おっさんずラブの放送が無事終わりましたね。
同性愛をメインにしたドラマはこれまでもいくつかありましたが、この作品はどこかリアルで、且つ非現実的なことをコミカルに描いており、私も好きでした。
ノンケも観るドラマなので同性愛が観やすいように様々な布石がありましたが、ゲイの皆さんにはどう映っていたのでしょう?
今回はそんなゲイ視点のおっさんずラブの感想を書かせて頂きます。
ノンケに告白ってリスキー
主人公の春田ですが、今作では彼だけが主要人物の中でノンケでした。
でも実際ノンケに告白ってかなり危ないですよね?
仮にほんの少しでも、
(あ、この人ゲイかも・・・)
と思えるならあれですが、今回は全く違いましたね。
黒澤は上司という盾で、牧は友情の延長線上という盾で、自分が守れたから告白することが出来たことです。
このドラマを見ると簡単に出来てしまいそうに思われますが、現実世界では極めてリスキーです。
現実世界ではノンケへの告白には大変工夫が必要です。
まぁしかし根本は男なので、ドラマでもそうでしたが胃袋をつかまえると、ぐっと距離が縮みます。
男同士の同棲
今回は春田が二人の男性と同棲する姿が描かれていましたが、それが凄くリアルで共感しました。
「彼氏ですか?彼女ですか?」
というセリフがあり、若干イラっとしたのですが、同棲してもゲイはお互いが「彼氏」である事に変わりはありません。
仮に彼女気分だとしても、家の面倒を見る義務はありません。
しかし実際同棲すると時間のサイクルが合わなく家事等で喧嘩になることは多いです。
また片方が一方的に率先して行っても、ふとしたすれ違いで、その関係が壊れてしまう事もあります。
顔を合わせることが必然的に増えるので、口論も増え、喧嘩なんかすると家なのに息が詰まります。
経験上、男同士が同棲するなら必ず一人になれる場所が必要です。
しかし、そんな関係が一気に修復出来てしまうのが体調を壊した時ですよね。
大切な人の看病をしていると喧嘩の理由なんて何故か忘れてしまうものです。
ギャップって大事
今作で私が一番魅力を感じたのが黒澤部長でした。
上司・男・乙女とゲイならでは多面性がリアルに感じました。
実際彼くらいの年齢でゲイをカミングアウトしている人は少ないですし、ある程度社会的地位が高い人も多いでしょう。
様々な板挟みに苦難しながら、それでも貫ける唯一のものが、真実の愛なんです。
たくさんのものを失ったとしても、一番大切なものが一つあればいい。
シンプルな事ですが彼からそう教わったように感じました。
また何に対しても一生懸命で献身的で、でも不器用な彼の存在が、ほんと不慣れな初心者ゲイ的でこのドラマの一番の魅力でした。
諦めない気持ち
黒澤の妻、蝶子や武川主任を観ていて思ったのですが、本当に好きなら、その気持ちはあきらめちゃいけないんです。
彼らも自分の気持ちを押し殺し、好きな相手の後押しをするんですが、そういう人の愛し方が出来る人って私は尊敬します。
彼らの行動は好きな気持ちをあきらめたわけではありません。
「好きだから、好きな人に幸せになってほしい」
昔私が不倫した男性の奥さんに全く同じことを言われ、グサッと胸が痛みました。
この感情はドラマの至る所に散りばめられているのですが、ノンケを好きになったゲイが良く抱く気持ちです。
簡単なようですが、愛と心に芯がないとこんな風に人を愛することは出来ません。
幸せになれない
これはゲイ同士が恋愛するうえで漠然と感じる不安です。
正直胸のどこかでいつもくすぶっているもので、何かの拍子に爆発し、その結果別れを切り出したり、家を飛び出したりしてしまうんです。
でも本当は相手を嫌いになったわけじゃないから、追いかけてきて欲しいという天の邪鬼な気持ちがあるのですが、現実はそんなに甘くありません。
理由も話さず行動を起こす前に自分の気持ちを相手に相談し、幸せかどうかを再確認するべきです。
ハッピーエンドとは?
コメディ要素が強くて真面目に書くのが大変でしたが、最終回を見て、感じた事はみんなそれぞれ違うと思います。
「春田が幸せになれて良かった」
「本当にこれでいいの?」
と様々な意見が飛び交っています。
私自身ドラマとしてラストには少々わだかまりが残りました。
しかしゲイである私がこのドラマを見終わり、感じたことは、
「一緒に生きて行きたい相手の存在」
でした。
正直恋愛とか結婚とか、ましてや愛とか、そんなのはどうでもいい問題です。
パートナーの存在が自分にとってどれだけ重要なものなのか、それを真摯に伝えれば、ノンケにだって気持ちは届くかもしれないと感じました。
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