2019年2月、LGBTである我々にとってとても大きな出来事がありました。それはLGBTカップル10組が「同性婚を認めないことは違憲である」と提訴したのです。
これはLGBTという言葉が浸透してきた私たちにとってとても大きな一歩であり、これが認められると未来は大きく変わります。
しかしなぜ今なのか?なぜ認められないのか?という部分が各報道でも不透明です。
今回はLGBTや同性婚の歴史に触れながら、私の理想とする同性婚の形をお伝えします。
様々な意見が飛び交っておりますが、あくまで私の主観なのでご了承願います。
LGBTの歴史
今はかなり浸透しているLGBTという言葉ですが、実際いつ頃から使われていたか、御存知ない方が多いでしょう。
正確な時期はわかりませんが、始まり1990年代ヨーロッパや欧米で使われ始めました。
LGBTに関する会合や裁判が行われるたびに、性的マイノリティを敢えてゲイなどと発言することに差別感があるという声が上がり、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、それぞれの頭文字をとって「LGBT」という言葉が生まれました。
日本では使われ始めたのは2006年頃からです。
ちょうどメディアで活躍される方も増え始め、それまでアンダーグラウンドだったLGBTの存在が、それ以外の方にも浸透し始めました。
同性婚の歴史
2001年4月オランダで世界初の同性婚が認められました。これは異性間の結婚と全く同じものであり、それが故に反論が過激化することもありました。
その為2006年7月にLGBTの人権確立を「モントリオール宣言」が採択され、性的指向による差別禁止やLGBTの社会参加を後押しました。
その後ヨーロッパを皮切りに欧米、そしてアジアへと今でも日進月歩ではありますが、同性婚を承認する国が増えてきました。
なぜ日本では同性婚が認められないのか?
まず今までの同性婚が認められてきた国の背景にあるのが差別問題です。
欧米が一番わかりやすいでしょう。自由の国と呼ばれるくらいですから、性的マイノリティ以外にも人種など様々な差別問題が今でも起こっています。
しかしその中の結果の一つがアメリカ全土で同性婚を認めたことなのです。
それでは日本はどうでしょう?
色んな見解が飛び交っていますが、最も話題に上がるのが憲法24条の第一項です。
「婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」」
この「両性」「夫婦」というのが当たり前に男女を示すものであり、同性には適用できないと言われています。
またそれ以外にも少子化問題や、性病の蔓延、主にHIV患者増加による医療費の問題など理由をあげれば切りが有りません。
しかしこういった問題は全てLGBTと呼ばれる私たちが声を上げたので出てきた反論なだけで、真っ向から否定が出来ないという事から今回の提訴へと繋がったのだと思います。
ゲイアニキの同性婚への想い
私個人の意見としては、同性婚には賛成です。
まず憲法が制定された時に私たちLGBTの存在が社会に浸透していなかったこと、そして同性婚を認めることでマイナスになることは無いと思っているからです。
最近報道される同性婚の話題を見ていると、正直少し悲しい気持ちになります。
人を愛するってとても貴重な感情ですし、それを生涯誓い合いたいだけで、なんでこんなに論争になるんだろう、と。
そしてLGBT側でも、賛成・反対で意見が分かれ紛争しているんだろう、と。
一度原点に返ってみましょう
何故LGBTという言葉が出来上がったのか?それは私たちの存在を認めてもらうためです。
憲法を変えることは容易なことではないので、不安要素や起こりえる様々なケースを想定して慎重に行うべきです。
しかし、同性婚が認められたらどんな未来が待っているのか考えてみて下さい。
例えば、両親のいない孤児を養子として引き取ることも出来るんです。施設も素敵な場所でしょうが、特定の人からたっぷり愛情を注がれることはその子の未来を明るくします。たとえそれがパパ二人でも。
そして、これは中々不可避な問題ですが性的マイノリティが原因で幼い命が今でも失われています。
これは同性婚が認められた国でも起きていますが、同性婚が可能になることによってそういった問題への社会活動も行いやすくなります。
同性婚が認められる=カミングアウトしよう、ではないんです。
したい人はすればいい。したくない人はしなくていい。
だから今一番大切なのはLGBT内で紛争している場合ではなく、ほんの少しでもいいから、自分の性的マイノリティに自信をもって、声を上げることなのです。
まとめ
もう10年以上なりますが、ゲイ雑誌の某インタビューを受けた時に、同性婚などの情勢に詳しい方がいました。その方が言い切ったのです。
「アメリカ全土で同性婚が認められることはない」
でも今は全土で認められていました。
恐らくそれも最初は小さな火種で、時間をかけて燃え広がったのでしょう。
忘れないでもらいたいのは、今を変えることは出来ない。
だけど未来を変えることは出来るのです。それに合わせて私たちにも変化が必要なのです。
誰かの笑顔が一つでも増えること
それがゲイアニキの信念です
とてもシビアで時間がかかる問題ですが、私も皆さんと一緒に声を上げ続けます。